2010年新年互礼会ご挨拶
理事長 川嶋信也

 明けましておめでとうございます。
 日頃は当組合の活動にご協力賜りまして、誠にありがとうございます。 組合といたしまして、新しい年を無事迎えられましたことは、皆様のご協力のお陰と深謝いたしております。ご協力いただいておりますメーカー様、また活発な活動をしていただいております組合員の皆さまには改めてお礼申し上げます。

 さて、組合の新年のご挨拶では「昨年の景気は・・・」と始まるのが通例でしょう。しかし、100年に一度の、つまり誰も経験がなく予測がつかない経済状況下では、昨年の反省などしてもあまり意味がないんじゃないかと思っています。今、経済活動をされておられる方が誰も経験がないのなら、温故知新、もっともっとさかのぼって見てはどうかと思います。

 景気が悪く、デフレスパイラルに再度落ち込んでしまったと経済指標では表現されますが、もっともっと根本的なところに切り込んでゆくと、日本人が誰も政府を信用してないので自分の身を守ることに必死になっているということではないのでしょうか。自分の身を守るためには、消費は最小限にしようとするのは極当然のことです。その憂さを晴らすために、生活とは関係ない趣味の世界での消費では、何千万円もする高級車や、何百万もする服、億単位の宝石など売上が落ちていないようです。高度成長期に日本は、総中流、横並び主義に陥ってしまいました。多分日本の歴史始まって以来のことでしょう。原始時代のことはさすがに分かりませんが、平安時代までの皇室社会、江戸元禄時代までの武家社会、近代化が始まった明治以降太平洋戦争終わりまで、貧富の差がものすごく大きくて、その社会を乗り切り豊かな生活を目指すことが人生の目的だったはずです。豊臣秀吉などはあらゆる努力をして最貧層から天下人まで上り詰め、その生涯が人々の心を打って来たと思います。

 翻って現代は、小中学生の競争は如何なものか、年功序列、能力無視の学力偏重など、偉くなりたいお金持ちになりたいという目標が見えなくなりハングリー精神にかけてしまっている日本人と言われているようです。新興国は活気があるといわれていますが、弱肉強食社会で努力するものは報われ、しないものは消えてゆく社会です。日本がそういう状況に戻る可能性はないですが、かといって流れに逆らうことを嫌って流れが去るのを待っていても良くはなりません。住宅建築・土木のヒエラルキーの一端を担っている我々の業界も、寄らば大樹の陰という考え方を捨て去って、横並び体質に陥りかけている周囲の目など気にせず、今できることはなにか、「あのとき、ああしておけばよかった」と言う反省だけはしないように行動してゆかないといけない時期でしょう。

 そういう理念の下、我々大阪利器工匠具卸協同組合は今年もがんばってまいりたいと思います。ご出席のメーカー様、組合員の皆様、あらためてご協力をお願い申し上げたいと思います。年の初めから檄文になってしまいましたが、大学紛争世代ですのでお許しください。どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。


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